「こんな世の中になるなんて」の言葉どおり。
不安とか疲れとか苛立ちなんかに常に覆われていたような一年。
ステイホーム。
家にこもって夢中になっていたのは、鬼滅ではなく、不時着でもなく、寅次郎。
『男はつらいよ』
正月に映画館で五十作目を観てあらためて、一作目から寅さんの旅について行ってみたくなって。こんなに密に全作品を追いかけられるとは思ってもみなかったけども。たくさんの宝物をいただく。
毎度のラストシーン。
啖呵売が聞こえる前、凧上がる元日の空のカットにしみじみ思う。
元通りとはいかなくても、極々普通であることの幸せが、日常が、近いうちにかえって来ますように。
本当におつかれさまでした。
どうかよいお年を、迎えましょう!
蔵原 健