photograph.88

何気ない一言、すれ違いざまの舌打ち、隠れていた鬱憤が溢れ漏れ出ている。ガラスの間仕切りに映った透けた自分からもゆらゆらと。嫌になるね。
思わぬ雪にさらされた桜は楽しむ間もなく散った。

それでもね、生きていてほしい。大げさではなく。
花は来年咲くどころか、芽吹いた緑だって愛でたいわけで。

マスクの下で、他愛もないことで明るく笑っている店員さん。不安45希望55くらいのとても自然なポジティブさに、ほんの少しの間でも、いろいろなことを忘れる。貰った飴玉の袋に小さな短冊が。筆字体でサササッと、

「楽しむか楽しまないかは自分次第」

当たり前のことばが、むちゃくちゃ心に響いた。

Shimokitazawa
Sony Nex-6 / Ai Nikkor 28mm F2.8 S

comment